アパート経営の利回りについて  

アパート経営を始めるにあたり、事前によく理解しておかなければならないのが利回りに関することです。アパートを購入し、賃貸で入居者を募れば必ずしも利益が出るわけではありません。 事前に利回りについてよく考え、計画を立てなければ損をする可能性が高くなります。

アパート経営の利回りについて

そもそも利回りとはなんのことか?というと、支出に対してどれくらいの利益が出るか?を示した割合のことです。アパート経営をする上での利益とは何か?と言えば家賃収入ですよね。 しっかり利回りを計算しておくと、年間でいくらの家賃収入が得られるのか予想ができます。

例えば、1億円のアパートを購入し、利回りが10%だった場合は年間で予想できる家賃収入は1,000万円です。ここで利回りが12%だった場合には1,200万円となり、年間で200万円もの差が出るのでかなり大きな違いになります。 利回りを計算しておくことは購入物件の価格を決める際にも欠かせません。家賃収入全額をローンの返済に充てる場合、利回りが10%の場合は完済までに10年かかることになります。

利回りの種類

利回りには「表面利回り」と「実質利回り」という2種類があります。

表面利回り

予想利回りや想定利回りとも呼ばれるものです。年間に得られる家賃収入を物件の購入価格で割った金額となります。

実質利回り

年間で得られる家賃収入から必要経費を計算し、そこから購入にかかった合計費用を割ることで計算する方法です。表面利回りよりも細かく計算を行うため、より現実的な利回りが予想できます。

ただし、実質利回りを計算するためには空室状況を正しく予想する必要がありますし、他にもリフォーム費や修繕費など何年も先に必要になる可能性のある費用についても計算が必要です。そのため正しく計算することは非常に難しく、一つの参考として考えておきましょう。

利回りが高ければ高いほど儲かる?

アパートを購入する際に、利回りが高ければ高いほど利益が出ます。 しかし、利回り13%の物件と15%の物件が出ていたケースで利回り15%ではなく13%のアパートを購入したほうが利益が大きかった!というケースもあるのです。 この大きな理由は、空室率の問題にあります。

利回りはあくまで満室だった場合のことを想定して計算されているため、必ずしもその利回りが確保できるとは限りません。例えば、利回りが15%だったとしても半分が空室であれば満室で運営できている利回り13%のアパートよりも利益が下回るわけです。 アパート経営初心者の中にはとにかく利回りの高いところを選択し、失敗している方がたくさんいます。利回りについて考える際には必ず空室率についても考えなければなりません。

利回りが10%のアパートでも半分しか入居者がいなかったら実質的な利回りは5%になるので軽視できる問題ではないですよね。空室になった場合にどれくらいの速さで次の入居者を見つけられるのか?ということについても必ず不動産会社に確認しておきましょう。

利回りを考える上での注意点

アパートを購入する際に、その販売会社が発表している予想利回りを参考に購入を決める方が多いでしょう。しかし、販売している不動産会社はなかなかデメリットについては正確に教えてくれません。 つまり、発表されている利回りが本当に達成できるか怪しいものもあるのです。すべて販売会社が発表しているものを参考にしてしまうと、実際に経営を始めてから全く違う状態になり、青ざめることもあります。

販売会社の発表では13%として発表されていたものが、実際に自分で計算をしてみたところ10%程度にしかならなかったケースもあるのです。 ここで重要なのが、自分自身でアパートの利回りをしっかり計算するということ。その上で販売会社が発表しているのと同じような結果になった場合は信用できます。

一棟売りアパートの不動産取得税を知っておく

アパート経営を計画している方は、不動産取得税についても抑えておきましょう。全く知識がないと利回りに思わぬ影響を与える恐れがあります。知っておきたい不動産取得税のポイントを解説します。

不動産取得税とは

不動産取得税は、売買または贈与、あるいは新築・増築したときに、都道府県が1度だけ課税する地方税です。不動産取得6~18カ月後に届く納税通知書により納付します。忘れたころに届くので、事前に把握していないとアパート経営に影響を与える恐れがあります。不動産取得税の税額は次の計算式で求められます。

不動産取得税=建物評価額(固定資産税評価額)×4%

固定資産税評価額は、市役所などの固定資産税担当窓口で確認すればわかります。不動産取得税の標準税率は4%ですが、住宅用は平成30年3月31日まで標準税率が3%に軽減されます(住宅以外の家屋は4%)。また、宅地を平成30年3月31日までに取得した場合、宅地の課税標準額が固定資産税評価額の2分の1となります。

新築アパートを取得した場合の不動産取得税は軽減される

一定の条件を満たす住宅を建築した場合、一定の条件を満たす新築未使用住宅を購入した場合、一戸あたり最高1,200万円の控除を受けられます(賃貸用マンションなども対象)。一定の条件とは、「住宅の床面積(共同住宅の場合は一戸当たりの床面積)が50平方メートル以上(貸家共同住宅の場合は40平方メートル以上)240平方メートル以下」です。

この条件に該当する住宅を建築、購入した場合の不動産取得税は「(建物評価額(固定資産税評価額)-控除額)×3%」で求められます。さらに、住宅が認定長期優良住宅に該当する場合は最高1300万円の控除を受けられます。

不動産取得税の軽減は申告が必要

新築アパートを建築した方、新築未使用アパートを購入した方が最高1,200万円(あるいは1,300万円)の控除を受けるには、不動産取得から60日以内に不動産取得税減額申告手続きを行わなくてはなりません(申告の期限は都道府県により異なります。不動産取得税の軽減を受けたい方は個別に確認して下さい)。申告書は、県税事務所の不動産取得税課などで入手できます。控除を受けたい方は、申告書をとりに行くときに手続き方法も併せて確認しておくと良いでしょう。

中古アパートを取得した場合の不動産取得税

一定の条件を満たす中古住宅を取得した場合も不動産取得税は軽減されます。一定の条件とは、「住宅の床面積(共同住宅の場合は一戸当たりの床面積)が50平方メートル以上(貸家共同住宅の場合は40平方メートル以上)240平方メートル以下」と「昭和57年1月1日以降に新築された住宅(もしくは建築士などが行う住宅調査などで耐震基準に適合していることが証明されている住宅)」です。これらの中古住宅は新築年月日に応じた額が控除されます。

ただし、控除の対象となるのは取得者個人が居住するものです。つまり、マイホーム、セカンドハウス用の取得が対象で、賃貸マンションは適用外です。アパート経営を目的に中古アパートを購入した方は、残念ながら不動産取得税の軽減を申告できません。

不動産取得税と確定申告

アパート(賃貸用)の新築・購入時に支払った不動産取得税は、確定申告で必要経費として認められます。不動産取得税額が大きくなると節税効果も大きくなります。不動産取得税を納付した方、確定申告をする方は忘れずに計上しましょう。不動産取得税のほかでは、固定資産税・登録免許税・印紙税・固定資産税・都市計画税・事業税なども確定申告で必要経費として認められます。これらの税金も忘れずに計上しましょう。